TSPオフェンシブというラケットからアコースティックというラケットに変えて3年ほどたちました。
伊藤美誠選手が使っていることもあって最近、試合でアコースティックをよく目にします。
でも、有名選手が使っているだけでこんなにアコースティックを持つ人に出会う訳ではないと思います。
やはり、使い勝手が良いというところが、持っている人を多く見る一番の理由じゃないかなと思うわけです。
と、いうことで、今回はアコースティックを3年使ってきた私が、アコースティックの魅力を独断と偏見も交えて皆様にお伝えしていきたいと思います。
ラケットを買い替えようと考えている方の参考になれば幸いです。
最後までお付き合いくださいね。
目次
アコースティック 名前に隠されるラケットの性質
アコースティックという名前から弦楽器が頭に浮かぶと思いますが、その名の通り弦楽器を作るときに木材を接着していく同じ方式で、一つ一つの木材の密着度を高めるような材質の接着剤が使われ作られているのです。
そのためにスイートスポットが通常の5枚合板に比べて広くなるとともに、球持ちも良くなり、優れたコントロール性能や回転性能の獲得につながっているそうです。
はじきの強さよりも球をしっかり捉えて回転をかけるという能力に優れたラケットなんですヨ。
因みに、アコースティックを含む弦楽器シリーズには他にふたつのラケット(バイオリン、テナー)がありますが、アコースティックはこの二つのラケットのちょうど真ん中の性質を持ち、回転性能とスピードのバランスがとれたラケットと言われています。
では次にアコースティックラケットについてさらに詳しくお伝えしていきますね。
3種類のアコースティック
さて、アコースティックのラケットいいなーとおもってアコースティックラケットください!とショップに買いに行っても、アコースティックのどれですか?と尋ねられることになるのをはご存知ですか?
なんと、アコーステックラケットは15種類もあるんです。
だいたいはこんな感じです。
5枚合板・インナーカーボン・アウターカーボンの3種類を基本にシェイク・中国ペンに分かれそれぞれの持ち手形状が異なる。
と、言っても、持ち手の部分の形状やラケット面の形状など含め15種類ということなので、大きく分けるとだいたい3種類くらいに分かれるんですよね。
ここではラケットの造りからをみて大きく3種類に分け説明していきたいと思います。
3種類のアコースティックラケット
- 5枚合板
- 5枚合板+インナーカーボン
- 5枚合板+アウターカーボン
因みに他のラケットの種類もだいたいは同じような感じです。
もちろん若干違いはありますが・・・
例えば、アコースティックにはない7枚合板のラケットを備えているものがあったり・・・・などです。
では次に、それぞれのラケットの造りについて簡単に説明をしていきましょう。
5枚合板
5枚合板は最も標準的な従来からあるオーソドックスなラケットです。
5枚の板を貼りあわせた合板ラケットは、コントロールがしやすく安定感がある、しなりがドライブを安定させてくれる訳なんですが、初級から初中級、中級、上級と、幅広い層に支持されているラケットといえます。
5枚合板+インナーカーボン
インナーカーボンは5枚合板にカーボン繊維を加えることで反発力を高めた特殊素材ラケットです。
インナーカーボンはよりラケットの芯に近い内側にカーボン繊維が表側裏側一枚ずつ入っています。そのため特に強打した際には通常の5枚合板よりも反発力が高く、その威力は5枚合板を凌ぎ、7枚合板に匹敵します。
軽打した場合は芯材に近いところにあるカーボンのパワーがそれほど活かされないため、通常の5枚合板に近い球の飛び方になって、変にぶっ飛ぶという事がありません。
強打時には通常の5枚合板よりも威力をアップさせながら、コントロール性能は保持しているという点で、後述するアウターカーボンよりも通常の5枚合板からの移行がしやすいラケットです。中級以上に向いていると言えます。
5枚合板+アウターカーボン
アウターカーボンはより表面に近い(芯材より遠い)外側にやはり同じようにカーボンが表側裏側一枚ずつ入っています。
より表面に近いところにカーボンが配置されているということからカーボンが即座に効いてくるということで軽打時・強打時を問わずに弾きが非常によいのが特徴です。
ただしそのぶんコントロールが難しく、台からオーバーしやすいという欠点もあります。
なので中上級以上向きのラケットと言えます。
なんでも開発の順序で言うと、先にアウターカーボンが開発され、その飛び過ぎを調整する目的で後からインナーカーボンが開発されたという経緯があるのだそうです。
ラケットの種類がわかったところで次はその見方についてお話しましょう。
試合に出るようになるとおさえておきたいところです!
ラケットの種類の見方
試合では相手のラケットを見て相手の戦型をイメージするわけですが、この3種類のラケットがどれにあたるのか?見分ける必要があります。
どのタイプのラケットを使っているかで、相手の技量もだいたいは検討がつくんですよ、だからラケットはしっかりと見るようにしています
それぞれのラケットのタイプは先の3種類のアコースティックを参照してくださいね。
まず、見分け方としてはまずラケットの側面を見るようにします。
写真は5枚合板と、5枚合板にインナーカーボンが入っているラケットです。
中心の厚い板の両側に貼られている薄い板の数を見ます。
2枚づつなら5枚合板、3枚づつなら7枚合板になる訳です。
カーボンがはいっている場合は大概は5枚合板の場合は多いですね。
カーボンは炭素繊維なのでは黒系の色です。
ラケットのアイボリーの色合いに黒い筋が見えればカーボンがはいっていると一目瞭然わかります。
それが内側にはいっていたらインナーカーボンになります。
また外側に近いところに黒い筋がはいっていたらアウターカーボンになります。
インナーカーボンだとぶっ飛ぶけどコントロール性はアウターより良く、アウターカーボンだとパワフルな球が飛んでくるというのがだいたいイメージできますし、アウターカーボンを使いこなしている人は上級者といっても過言ではないですね。
以上がアコースティックの3種類のラケットの見分け方です。
アコースティックそのもののしなる性質に加えて先に書きましたように3種類の性質がラケットのそれぞれの性能を作りだしています。
なので、一見そんなに差があるように見えないかもしれませんがまずはそれぞれのラケットを使ってみるといいですね。
それぞれの打球感が全く異なることがわかります。
次にアコースティックに相性の良いラバーについてお話ししていこうと思います。
アコースティックとの相性の良いラバー
アコースティックのようなしなりのあるラケットは一般的にはラバーは柔らかいものより、硬いラバー、テンション系ラバーとの相性が良いと言われています。
相性の良い代表的なラバーとしては
- テナジー05・05ハード・64・80
- ファスタークGI・C1・P1
- ラグザX・7
- 昇龍
- キョウヒョウプロⅢターボオレンジ
- ディグニクス05
- モリストSP
等が、あげられます。
1点以外は全て裏ソフトです。
その1点とはテンション系表ソフト、ロングセラーラバーで根強い人気があるモリストSPです。
これ、伊藤美誠選手が現在もバック面で使用しているラバーなんですよ。
このラバーでナックルもだせばドライブもだす、中国選手泣かせのプレイの一端を担っています。
伊藤選手が使っていることも影響しているのか?近頃アコースティックにこのラバーを貼っている学生さんをよく見受けます。
有名選手が持つとどうしても注目してしまいがちですよね。
私もちょっと持ってみたいかなぁと思ったくらいです。
とはいえ、裏ソフトを主に使ってきた私には表ソフトは敷居が高いので、それはすぐ頭から消し去りました。
因みに、私が、初めてアコースティックを借りて使った時はニッタクファスタークのシリーズが貼ってありました。
ラケットとの相性がとてもいいと使ってみてすぐにわかりました。
なので、今私が使用しているラバーはファスタークシリーズです。
細かく言いますと、G1とC1を使っています。
3年間使ってきた私のレビュー
5年ほどTSPアフォードオフェンシブを使ってきたのですが、ある時ラケットが台にあたって大損傷し、急場しのぎで主人から借りたラケットがアコースティックでした。
因みにラバーはフォア面はファスタークC1、バック面はファスタークP1でした。
私が使っていたTSPに貼っていたラバーと同じでした。
使ったことの無いラケットをいきなり試合で使うので内心びくびくして試合に臨んでいたのですが、ストレスなく、試合に臨むことができました。
そして、試合中、強打した時の球の伸びが非常に良いという感覚を得たんです。
もともともっていたTSPオフェンシブも(名前からしても攻撃型のラケットなんですね・・・)球がよく飛ぶラケットだったんですが、打った時、ガツーンとした固さを感じるラケットでした。
が、アコースティックで打ってみると球が飛ぶというか伸びるんですね。特に台に着地してからが・・・
これはラケットのしなりから発する球の伸びのような気がしました。
たまたま同じラバーを貼っていたので、これはラケットの違いのよるものとしか思えませんでした。
試合終了後、3本目のラケットはアコースティックにしようと即決心したほどです。
ラケットによって球の伸びがこんなに違うのかという事を初めて実感した瞬間でした。
加えてこのラケットに変えてから、打った球にキレがあると言われます。
球がミートした瞬間の音がピシっという音がするんです。
筋肉の乏しい私なんかも十分使えこなせそうなラケットでした。
もちろんお高いのでまずはお小遣いを貯め、そして買い、もう3年はたちました。
ファスタークとの相性も良いので、最近はドライブを打つことが増えてきました。
しなりが効いて台のコーナーを狙って打つと結構ぎりぎりのところで着地してくれるので、相手がオーバーすると勘違いし、こちらの有利な展開になる場面が増えました。
もうしばらくしたらインナーカーボンを使ってみようか?と検討中です。
カーボンが入る分しなりは減るのでそのあたり5枚合板があっているのか?インナーカーボンがあっているのか?様子を見る必要がありそうですが・・・
まとめ
それでは、ここで卓球ラケットアコースティックの特徴と3年間使ってみた私のレビューをまとめてみたいと思います。
■アコースティック”名前に隠されるラケットの性質
- 球持ちが良い
- 優れたコントロール性能
- 回転性能が高い
■3種類にわかれるアコースティック
- 5枚合板
- 5枚合板+インナーカーボン
- 5枚合板+アウターカーボン
カーボンが入り、外側にはいっているものから打撃力が高くなる!
■アコースティックとの相性の良いラバー
- テナジー05・05ハード・64・80
- ファスタークGI・C1・P1
- ラグザX・7
- 昇龍
- キョウヒョウプロⅢターボオレンジ
- ディグニクス05
- モリストSP(これのみ表ソフト)
一般的にはラバーは柔らかいものより、硬いラバー、テンション系ラバーとの相性が良い。
ただし、モリストSPのような凹凸のある表面ラバーが合うという例外もある・・・
■3年間使ってきた私のレビュー
- 強打した時の球の伸びが非常に良い
- コントロールがしやすい
- 切れのある球筋と言われる。
- 筋肉に乏しい女子でも使える(もちろん筋肉があるともっと使いこなせる)一品。
さて、卓球ラケットアコースティックを3年使ってみた私のレビューはいかがだったでしょうか?
初心者から初中級あたりになってくると情報が周りからたくさんはいってくることもあり、
評判の良いラケットをつかってみたくなります。
たくさんありすぎてどれを使ったらよいか?
悩まれるかもしれませんが、いろんな人が使っているラケットを一度貸してもらい使ってみることをお勧めします。
もし、どこかの教室でも通っていたらそのコーチに相談するのも良いですね。
ただし、勧められたものをすぐに買う事はせず必ず試打してみてください。
私がアコースティックラケットを使う前のTSPオフェンシブラケットを使っていた時に書いた卓球ラケットとラバー選び、ここに注目!経験6年目の私が選ぶコツをご紹介!こちらも是非参考になさってくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。